さて、鈴木くんには俺から言っておこうかな。藤野ちゃんに彼氏ができたこと。


藤野ちゃんは、好きな人がいると言った時点で鈴木くんが諦めてくれていると思う。


このまま行くと、
バイトが終わって藤野ちゃんと伊藤ちゃんが帰ってるところを鈴木くんが目撃して……。
みたいな面倒事になるかもしれない。


俺から男だったら潔く諦めろと言うしかないだろう。


最後まで俺は、可愛い藤野ちゃんの味方だぜ!




「え……彼氏……?」


こういうのは早いほうがいいと思い、俺は翌日の昼頃、藤野ちゃんに彼氏ができたことを鈴木くんに伝えた。
もちろん伊藤ちゃんの名前はふせて。


ちなみに今日は、藤野ちゃんも伊藤ちゃんも休み。


「本当ですか?」


「うん、本当。だからね鈴木くん、藤野ちゃんが好きなら藤野ちゃんの恋を応援するべきだと思うよ俺は」


「それが大人ってもんだ」と付け加えて笑えば、鈴木くんも苦笑する。