その、艶やかな瞳に見つめられると、
話したくなってしまったから不思議だった。


「先輩は人気者だから、わからないかもしれないですけど」

私はフォークをぎゅっと握ったまま、視線をテーブルに落として、言った。



「私、なんか、居場所がないんです。主に学校で。

美奈子たちは一緒にいてくれるんですけど、どうも美奈子と有紗の仲と、私と美奈子たちの仲は違うような気がして。…訳わからないですけど、なんか"あぁ友達だ"とか"自分が必要にされてる"という感じがないんです」


…なに、言っちゃってるんだろ。
全然言葉がまとまらないし。

そう思うのに、口からぽろぽろと言葉が零れてくる。
でも返って、言葉に出すことで、自分の中ではどんどん思考が整理されていく。


――あ、そうなのか。
私が満たされていない理由。



誰かに、心から必要にされていると感じたことがないから。

そうだったのかもしれない。