かわいらしいお姉さんがにこにこ笑顔で迎えてくれて、ほっとする。
店内をさっと見回すと、女性のお客さんは結構多くて、スタッフも女性が多かった。
「2名です」
お姉さんにそう答える先輩の横で、そっと胸をなでおろした。
…きっと今日は出勤の日じゃないんだ。
「はい。こちらへご案内します」
お姉さんに案内されるまま、奥の窓際の席に向かう。
外観通り、内装もレトロな雰囲気が漂っていて、とてもおしゃれだった。
席にも可愛い花柄のクロスが敷かれいて、椅子は木製だけどふかふかのクッションがあるおかげで座り心地がいい。
「ご注文決まりましたら、お呼びください」
メニューを渡してお姉さんが去ったあと、私はほっと肩の力を抜いて、向かい合わせの先輩に微笑んだ。
「おしゃれなお店ですね」
先輩はブレザーを脱いで畳みながら、空いている方の手で器用にメニューをめくった。
「うん。一人で来なくて良かった。ユッキーはこのカフェ知ってた?」
「美奈子がここのコーヒー美味しいって言ってた気がします」
「あー、美奈子ちゃん。あの子は詳しそうだ、そういうの」