なんせ彼は22歳。
マリナさんよりも断然、私のほうが年が近い。
それは奇妙な感じだった。







「…なんていうか、気持ち悪いよね。ごめんな」


三木蒼太は事情を説明し終わったあと、終始無言のままだった私に頭を下げた。
私としては彼よりも、マリナさんから謝ってもらいたい気分だったけど。


「…気持ち悪いとは、思わないけど」

短くそう答えると、彼は透き通った瞳をこちらに向けてきた。


「気持ち悪くない?こんなに若いし自分と年が近い男が、自分の母親と恋愛関係にあるなんて、俺なら絶対知りたくないよ」


素直で、柔らかい話し方。
そのせいかもしれない。

私は彼に紅茶を入れながら、眉ひとつ動かさずに答えた。


「もっと気持ち悪い人を見てきたから、あなたはマシなほうですよ」