面倒くさい仕組みで、防犯がどうちゃらというわりには
暗証番号さえ知っていれば簡単に開いてしまうという。



「…誰?」

とりあえずモニターをつけると、思わずそう声が漏れた。

明るい画面の中に映るのは、見知らぬ男性。

――いや、男性?…男の子?


体格的にはもう20歳は越えている…少なくとも私よりは年上に見える。
まだあどけない顔立ちをしているから、若いはず。
白に青のストライプが入ったポロシャツが似合っていて、髪も短い黒。
爽やか系。ちょっとかっこいいかも。
宅配のお兄さんにいそう。



しかしながら、宅配のお兄さんにしては荷物も持っていないし、「宅配便でーす」とも言わない。

むしろ困惑したような目でカメラへ視線を注いでくるし、そわそわと落ち着かない様子。

ガラス玉のように透き通った瞳が私(カメラ)に向けられると、どきっとした。


――キレイな瞳だ。