あれからいろんな人に出会いましたが、 彼ほど純粋で、愚かで 綺麗な瞳を持った人はいません。 愛すべき人ができて、 面影を探すのはもうやめたけれど。 今も覚えているのは、指先に籠る熱。 あのとき、確かに心が音を鳴らしました。 ――あれは、玉響だったのです。