とりあえず、一人になりたいなぁと思った。
間違ってるジグソーパズルをむりやり押し込められてるような、そんな感じ。
息苦しい。
「…ユッキー?」
「あ、うん。ごめん。…今度から気を付けるよ」
「うん、気を付けたほうがいーよ。じゃあねっ」
美奈子はにこっと笑って、右手を小さく振った。
いつもの別れ道。
美奈子と有紗は右、私は左へ。
さすがに有紗もこのときは私を見て手を振る。
「じゃあね」
私も手を振り返して、別れ道を左に言った。
そして数秒後に振り返ってみる。
二人の背中が仲良く寄り添いながら、楽しそうに会話をして遠ざかっていく。
有紗の横顔が見えた。満面の笑み。
短い黒髪が揺れて、普段のおとなしさからは想像もできないぐらい頬が紅潮していて楽しそうだった。
美奈子も、負けないぐらい楽しそう。
二人とも私がいるときよりずっと会話も弾んでいる。