――俺には、ユッキーが必要だったよ。
ありがとう。
蒼ちゃんの声がはっきりと聞こえた。
言葉に出してなくても、確かに聞こえた。
きらきらと光を受けて輝く青の向こう。
川を越えたその向こうにはもう、私たちが歩いていくべき道があった。
どうしようもないぐらいに、違うのに。
今はどうしようもないぐらいに同じ気持ちで。
目が合って、見つめ合うと。
自然と惹かれあっていた。
…それはもうまるで、初めから決まっていたかのように。
私たちはごく自然に引き寄せられるように、唇を重ねていた。
――それが、さよならの代わりだった。