「ごめん、ちょっと待たせちゃった」
「俺もさっき来たとこだし。意外と授業長引いて」
蒼ちゃんは深緑色をしたヘルメットを被ってから、青色のヘルメットを私にくれた。
「ほら」
「ありがと。…あ、結構重い」
見た目は軽そうなのに、意外とずしりとしている。
それを頭に被ると蒼ちゃんは「よっしゃ」と指を鳴らした。
「んじゃ、後ろに乗って」
意外と位置が高くて難しい。
足を上げると、軽くスカートが捲れる。
…制服のスカートだからそんなに短くないけど。
蒼ちゃんも顔を逸らしていた。
「…なによ」
「いや、見ちゃ悪いかなと」
「大丈夫。もう乗れたから」
一瞬ひやっとした冷たさを太股に感じる。
なんだか緊張するし、ちょっとだけ怖いけど。
「腕は、俺の腰ね」
蒼ちゃんが私の腕を掴んで、自分の腰に沿えた。