お風呂から上がると、蒼ちゃんはソファーに座って待っていた。


「あ、おかえりおかえり」

微笑みかけてきた、その手にはドライヤーが握られてる。

私がきょとんとした顔で静止していると、蒼ちゃんはじれったそうに「何してんの、ほら早く」と手招きする。



「…」

仕方なく、私は蒼ちゃんの下にちょこんと座り込んだ。

蒼ちゃんは満足気にドライヤーのスイッチを入れて、私の濡れた髪を手に取った。


ゴツゴツした手は、器用なんだか不器用なんだかわからない。

でも、とても心地が良かった。