アユミちゃんが頬杖をついて、大きな瞳をくりくりさせた。
…こういう話が大好きなところ、マリナさんとそっくりだ。



「まぁ生意気。高校生なのに」

「第一、バイクの二人乗りって警察に見つかったら大概注意されるし」


蒼ちゃんにそう突っ込まれて、私は自然に笑った。

「いいの。ちゃんとヘルメットつけてたもん」




――自分でもびっくりするぐらい、すらすらと嘘が出てきた。

このあとも、ひたすら喋り続けた。



海沿いをドライブしたこと。
すごく夜景がきれいだったこと。
相談に乗ってもらったこと。



たくさんの嘘と、ほんの少しの真実を織り交ぜて。
詰まることもなくすらすらと話し続けたし、二人も何一つ疑う様子はなかった。



…びっくりする。
人間はこんなにも上手に嘘をつけるものなのか、と。



それはもしかしたら、私の理想が入ってるものだから、詰まることなく言葉が出てきたのかもしれない。
嘘をついてるときは必要以上に喋ってしまうものか、と思った。




――そういえばマリナさんも、ひっきりなしによく喋る。








「じゃあね。お邪魔しました」