ことが終わった今更になって、そんな考えが胸をよぎる。
…アホだ。


私はシーツをめくって、そっと覗いた。



かすかな鮮血の跡。

痛みの残る下腹部をそっと撫でる。
胸元にある、いくつもの赤い痣に目をやる。



…たった、これだけで。
もう私は処女じゃない。
ピュアガールじゃないんだ。


そう考えると、女の子って寂しいものだな、なんて思ってしまった。






付き合ってるのかな。
あるいは、今から付き合うのかな。


ふとそんな不安が浮かんでくる。


…バカだ、私。完全に順番間違えてる。



「先輩…」


でも、先輩の寝顔を見ていると、そんなことはあとから、先輩から言ってもらえばいいんだという気持ちになった。



――そして、急に眠気に襲われて。
腕枕の感触も忘れてぐっすりと、眠り込んでしまった。