ただ、気が付けば私は何ひとつまとっていなくて。
目の前には先輩の広い胸板、腕があって。
なめらかな肌の感触に包まれていた。
ベッドの下に落ちた制服のシャツを見つめながら、
ベッドのきしむ音を聞いていた。
「…あ…っ…」
「…」
「っ…いたい…っ」
熱い吐息を額に受けながら、目の前にある肩にしがみついて、必死に痛みに耐えた。
痛み以外はなにも印象に残っていない。
なんで、みんなわざわざこういうことするんだろう。
そんなことを冷静に頭の隅で考えてしまうほどだった。
――初めてのセックスは、あっけなく終わった。
下腹部にじんとした痛みを感じながら、先輩の腕の上で眠る。
頭の下にある固い感覚がなんとなく気になって、眠りにくかった。
「先輩…」
そっと声を出したけれど。
先輩はすぅ…とかすかな寝息を立てて、すっかり眠ってしまっていた。
その寝顔をなんとなく見つめる。
…私、これでよかったのかな。