だから、あえて本音をぶつけてみた。


「他人のせいにする人は、いつまで経ってもうまくいかないんだよ」

「…っ!なによ、ユッキーがっ」

「不公平だなんて思ったって、どんどん自分がみじめになるだけでしょ。
変えたいと思うなら、自分が変わるしかない」



有紗に言いながら、自分自身に言い聞かせているような気がした。



――ああ、そっか。
私が冷めやすいのは、満たされないのは、すぐに諦めちゃうからなのかもしれない。

まぁ、いいや。
別に必要ないし。
なんて、決めつけて。

こっちが心から必要にしないから、美奈子たちにも必要にされないんだ。

最初から「どうせ」と諦めて心を閉じてしまう。



…だから、本気で恋愛をしたこともないし、友達もできない。


蒼ちゃんやマリナさんを羨ましく思うのは、それが違うからなんだ。

マリナさんみたいになりたいと願うばかりで、変わろうとしないから。




だからずっと、一人のような気がしてたのかも。




「…もう、全部話してやるからっ…!先輩に」


「有紗が気の済むようにすればいいよ」


有紗は唇を噛みしめて、乱暴に扉を閉めて出て行った。

ガン!という音が響き渡って、しばらく余韻を残していた。





同時に携帯が振動する。

「…!」

驚くほどのタイミングで、一瞬有紗かと思ってしまった。