そして、何よりの特徴。
男に恋しているというよりも、"恋に恋している"。
ここで私が何故自分の母親を「お母さん」でも「ママ」でもなく、「マリナさん」と呼んでいるのかを説明することになる。
別に私が反感を持っているとか、そういうわけではない。
マリナさん自身が嫌がるのだ。
小さい頃は周りのみんなと同じように「ママ」と呼んでいたし、それは普通に受け入れられていた。
でもモノゴコロついた頃…小学2年生ぐらいのときに、マリナさんは私にこう言った。
「ママじゃなくて、マリナさんって呼んで欲しいの。わたしも、あなたのことはユッキーと呼ぶわ。
母子だけど、だからってあなたとわたしは他人。篠原由姫乃はわたしの娘だけど、わたしのものではない。
だからね、わたしのことは友達だと思って。なんでも相談してほしいし、あなたを愛してる。でもね、他人なの。それを忘れないで。
あなたもわたしも女の子なのよ」
そのときは意味がよくわからないまま、いつのまにかマリナさんという呼び方が定着していった。
でも今ならわかる。
ずっと、少女でいたいんだ。って。