「その…ユッキーは、一匹狼なの?」
「そんなつもりじゃないんだけど。どうも、うまくやれなくて」
ユッキーはお皿のカレーをきれいにスプーンですくい取って、何食わぬ顔のまま答えた。
「それに、なんか最近は、あまり必要も感じなくなった」
…俺は、俊樹がいるし、ほかにもいろいろと話せる奴がいる。
それが一人もいなくて、相談できる相手がいなくて、それを必要とも感じていないというのは奇妙な感じだった。
ましてや、ユッキーは優しいのに。
無意識に身を乗り出して、熱い口調になってしまう。
「そう言わずに、話しかけてみなよ。いろいろと」
「…え?」
「自分から壁を作らずにさ。今日の先輩の話とか、できるような友達を作りなって。友達がいないのは寂しいよ」
どうしてだか、自分のことのように必死になってしまった。
でもユッキーは迷惑そうな、不機嫌な顔をした。
「なんでそんなこと言われなくちゃならないの」
「や、だって…」
「作れれば苦労しないの。簡単に言わないで」
…確かに、そうだけど。
うつむいた俺に、ユッキーははぁとため息をつきながら更に言った。
「あなたは、友達はいるかもしれないけど、恋愛に関してはダメダメじゃない」