きみとぼくの、失われた時間



▽はじめましての皆さん、そうでない皆さん、こんにちは梅雨之あめです^^*

ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
 
【15のチルド】は、長編書きの私にしては珍しくも中編でした。
300ページ越しになるかなぁっと思っていたのですが、それ手前で完結できたのでホッとしております^^;



▽この作品を書くにあたって思うことは多々ありますが…。
 

丁度、この作品を書く契機になったのが、定期的にやって来るスランプからでした^^;

しかも今回のスランプは大々的な波がどーんときてしまったせいで、創作スキーなのに書いても書いても満足いかず。


「あれ…、創作しても楽しくない」


という状態に陥ってしまいました;;
どうしよう、こんな状態じゃ連載の先は書けない。
書いても読者の皆様に申し訳ない。


悩んだ末に、新連載に手を出しました。この作品です。


誰にでもありそうな且つ、私自身にも当て嵌まる“自分探し”をテーマを掲げて紆余曲折しながら執筆していました。

途中、「うわぁあもう無理だぁあ!」と投げ出しそうになっていたということは余談しておきまして。



自分を見失うこと、居場所が分からなくなること、“今”という時間に対して何をしているのか分からない。

 
成績や仕事に嫌味を言われてへこむこともあれば、退屈な毎日自分を見失うこと、友達との些細なやり取りで消えてしまいたくなることもある。

取り巻く環境の変化に“自分”ってなんだろうと途方に暮れてしまう。

誰にでもあることだと思います。


主人公の坂本健もそのひとりです。


特別暗い過去があるわけではない。
特別何かがあったわけでもない。

でも、取り巻く環境に悩んで苦しんで、ついには現実逃避。
家族、友達、恋、置かれた状況にすべて投げ出してしまいました。

彼は内心で「やってられるか畜生!」と思っていたに違いありません。


歌のキャッチフレーズになりそうな「有りの儘に生きる」って、何気に難しいことだと思います^^;


この作品はそんな特別ではない、だけど、なにか特別なことを書きたかったのです。




▽解決はしていない、でも、


坂本 健の起こした失踪事件によって、良い方向に物事が進むこともあれば、悪い方向に進むこともある。

家族問題は後者として挙げられるでしょう。


夫婦仲は改善されても、今度は親子仲で溝ができてしまった。

ギクシャクした空気はなんとも居心地が悪い。

 
それだけではなく学校でも、なんとなく居心地が悪くなってしまった。
保健室登校から教室登校になっても、今しばらくは居心地が悪い筈です。


彼には沢山の試練があります。

だけど敢えて解決せずに残したのは、彼自身がきっと乗り越えてくれるからと信じているからです。


気持ちが変わったのだから、きっと大丈夫。


落ち込んだのなら、自分が戻ったことで消えてしまった一つの未来を思い出せばいい。


きっとあの未来が自分の背中を励ましてくれる。
 

消えてしまった未来だけれど、消えていない未来のために彼は躓いても前に進んでくれる。



▽最後に…。


消えた未来は有り得た未来の一つ。

そして過ごしていた日々は嘘ではなく本物。


敢えて過ごしていた時間とリンクさせていたのは、あの時間は本物だったと訴えたかったからです。

何故ならあの時間が坂本 健を成長したそのものに違いないのです。


消えたけれど、消えない未来で“彼等”と再会できたのは奇跡ではなく、彼が過ごした時間の軌跡だった。


そうに違いないのです。




此処まで読んで下さり本当にありがとうございました^^*
支えて下さった皆様に最大の感謝を。


2011.12.02

梅雨之あめ
 



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