この医学書、別に何度見ても同じだけど見るのが日課になってしまった。

似た様な病気のページを見て、手術出来るんだ・・・と落胆したりする。

ちょっとでも「可能性」を探そうとするあたしは諦めが悪いんだろうか?


「いつもと同じ・・・ですよね」


と呟いてボケっとしてるとガラっとドアが開く音がした。

図書室に来る人なんて初めてかも。と思いながらドアに視線を向けると・・・


「ソウちゃん?」


不機嫌そうな顔のソウちゃんがあたしを見てビックリしている。


「え?ルウコ??何してんの?」


(ヤバイ!)


医学書を閉じて脇によけて、あたしも言った。


「ソウちゃんこそ何してんの?」


「え?周りがうるさいから避難だけど・・・。お前は?」


「あたし?いつもここでお昼食べてるからいるだけなんだけど」


「1人で?」


「うん。明日香は彼氏とご飯だから」


「へー」と言いながら向かえの席に座った。


購買の袋からパンがどんどん出てくる。

カフェオレにストローを刺して、ソウちゃんがあたしを見た。


「どうした?」


「いや、パンが5個もあるけど1人で全部食べるのかなって・・・」


「うん。食べるけど。あ、食べたい?」


クリームパンをくれようとしたけど「お弁当あるから」と断った。


(食べたいけど、食べれないんだよぉ!)