休み時間。


ノートと教科書をトントンと揃えて片付けようとしたら、彼が振り返った。


思い切り目が合って硬直してしまう。


「さっき、ありがとね」


そう言ってニッコリ笑う。


「え?」


「これ」と言ってメモをヒラヒラさせる。


「あ・・・。何か怒られるって思ったらつい・・・」


慌てて言い訳をすると笑い出した。


「お前が怒られるワケじゃねーじゃん。って怒られちゃったけど」


「別に!・・・大丈夫だよ?」


顔を見るのが恥ずかしくて上目遣いになってしまう。

一瞬、彼がビックリした顔をして何でか赤くなっている。


「どうしたの?」


「いや、別に。とにかくありがと。お前が後ろにいてオレってラッキーかも」


(変なの・・・)


笑ったり赤くなったりでちょっと面白くて笑ってしまった。


それに・・・


(お前とか呼ばれた!!2回も!席が後ろでラッキーだって)


教科書で顔を隠して笑っていると、


「お前、もう少し笑ってた方がいいかもね」


と言われて今度はあたしが真っ赤になる番だった。