もう明日までに名前を書いて出生届を出さないとダメという日、2人で真剣に名前を考えた。
元々生まれる前にも考えていたけど、字画を調べるとイマイチだったりありふれすぎた名前だったりとなかなか決まらない。
「やっぱり前に言ってた『色』でいく?」
ソウちゃんが『蒼』だから、色の名前がいいって言った事があって色んな色で調べていた。
「うーん・・・」
この時にはあたしは密かに『繋美』という名前を決めていて、どのタイミングで出そうか悩んでいた。
「他は・・・『未来』(みらい)?高柳 未来って何か変だな・・・」
名前辞典を見ながらソウちゃんがブツブツ言っている。
あたしはミルクを飲ませながら思い切って言ってみる事にした。
「実はあたしの中ではもう決めちゃってる名前があるんだけど・・・」
「え?そうなの?何て名前?」
「えーと・・・『ツナミ』って名前。密かに自分では『ツナミ』って呼んでるんだよね」
「ツナミ?」
やっぱりソウちゃんは嵐の『津波』を連想したらしくビックリしていた。
「今、嵐の『津波』を連想したでしょ?」
「他に何があるんだよ。ツナミぃ!?えー、ツナミ・・・ですか?」
テーブルの上に置いてある紙に『繋美』と書いて見せた。
「繋がる事は美しいって読んで字の如くそういう意味だよ」
結構渋ってたけど、「もう決めてる」と言うと仕方なさそうに承諾してくれた。
ツナミが退院してからもあたしは「安静」って事でそれから1週間入院する事になって、ツナミの面倒はソウちゃんとウチのお母さんが見る事になってしまった。