次の日、定休日じゃなくてソウちゃんの公休。
「ウチに寄れば?姉貴も母ちゃんも会いたがってたし」
と言ったソウちゃんに「外でご飯食べようよ、買い物にも付き合って」と言ってソウちゃんを外に呼び出した。
車で迎えに来たソウちゃんとあたしは最近出来た郊外のショッピングセンターに向かっている。
(言うなら今かな?)
窓を全開に開けて、タバコを吸いながら缶コーヒーを飲んでるソウちゃんにあたしは言った。
「妊娠した。今、2ヶ月目」
ハンドルを握って前を見ていたソウちゃんが「?」って顔であたしを見た。
平日の昼間なのに車は渋滞中。
何でもちょっと先で事故があったらしく交通規制がかかっている様だ。
ほとんど停車してるに近い車の中、ソウちゃんは無言であたしを見ている。
「昨日、検査の時にわかったの。妊娠してた」
「誰が?」
やっと発した言葉は実に間抜けな感じがした。
「あたしが」
「え!?」
ビックリした顔であたしとあたしのお腹とを交互に見た。
「いや、いきなり大きくならないでしょ?来年の夏頃生まれるよ」
あたしはバッグからエコー写真を出して「はい」と渡した。
まだ2cm程度のあたしの赤ちゃん。
ソウちゃんはノロノロと進む車を動かしながら止まる度にエコー写真をマジマジと見ていた。