「ソウちゃんの進路?」
家で夕食を食べている時にお母さんに聞いてみた。
あたしが発作で倒れて以来、ソウちゃんのお陰で全てとはいかないけど家族として向き合えてきてると思う。
ソウちゃんも家に何度か遊びに来ている。
あたしの部屋に入った途端「シンデレラ城」と爆笑されたけど。
でも、やっぱりウチに来るよりはソウちゃんの家に行く事が多い。
年頃だし、何かとするにはやっぱりあたしの家では無理だし。
「そうなの、わからないからあたしも進路表出せないんだよね」
「さぁ・・・、ルウコにも話していない事をお母さんが知るワケないしねぇ。それよりもルウコはソウちゃんと同じ学校へ行くつもりなの?」
「そりゃそうでしょ!元々進路なんて考えてもいなかったし、やりたい事もなかったし、せめてソウちゃんのそばに後4年いて、それから自分の道を探そうと思ってるんだから」
お母さんは首を傾げている。
お父さんはソウちゃんが来たら普通には話をするけど、やっぱり「娘の彼氏」が面白くないのか普段はソウちゃんの話題になると何も言わない。
「あのね、ソウちゃんが大学じゃなく専門学校に行ったとしたらアンタもそこに行くの?」
「は?」
予想もしてない言葉に戸惑ってしまう。
「例えばよ、ソウちゃんのお父さんは美容師さんよね?美容室を継ぐかもしれないじゃない。ルウコは目的もないのにそばにいたいって理由で美容学校に行くの?それはちょっと違うと思うけど」
「ソウちゃん、大学に行かないって事?」
「可能性の話よ」
全く予想をしてない言葉にあたしはどうしていいかわからなくなった。