いざシフォンケーキを取ろうとしたら「いいの?他の食べれないの?」と瑠璃さんに言われた考えてしまう。
「あ、でもタルトも食べたいかも・・・。薬あるから大丈夫だし・・」
その言葉を聞いてあたしのお皿にタルトとシフォンケーキを乗せた。
「じゃぁ、5コあるから2コ食べちゃえば?ソウ、あんたは1コでいいでしょ」
瑠璃さんもプリンンアラモードとフルーツがいっぱいのロールケーキを取った。
フォークを刺して「いただきまーす」と口に入れて気が付いた。
呆れてタバコをくわえているソウちゃんが後ろにいた。
ケーキを見ると甘くなさそうなガトーショコラが残っている。
お皿に乗せて渡した。
「食べないの?なくなっちゃうよ?」
仏頂面でお皿を受け取った後、スタスタと窓にむかってカチってライターの音がした。
(あらら、怒ったのかな?)
ちょっと気になって瑠璃さんを見たけど、澄ました顔でケーキをバクバク食べている。
ロールケーキにフォークを刺してから瑠璃さんはため息をついた。
「クソガキ」と手招きしてソウちゃんを呼んでいる。
振り向いたソウちゃんはイライラとした顔。
「この位の年齢は色気より食い気なのよ、やるか食うかって聞かれれば食うわよ」
あたしはビックリして赤くなったけど、ソウちゃんは舌打ちをしてガトーショコラにフォークを刺した。
言いたい事をポンポン言う、本当に真逆な性格・・・。
顔が同じなこの姉弟を不思議な気持ちで見ていた。