バスルームを出て、下着と一緒に買った部屋着にもなりそうなサラっとした濃紺のワンピースを着た。

本当は生成りっぽいのが良かったんだけど、明日香と選んだ下着は見事なまでに『勝負下着』な黒だから透けちゃうから。


『純情っぽく思い切って白?いや、黒は女度が上がるからやっぱ黒だな』


って明日香が勝手に決めちゃった黒い下着。

17年の人生で白も持ってないけど、黒い下着なんて無縁だったからかなり抵抗はあったんだけど・・・。


『普通だよ?あたしは結構黒とか赤とかが多いし』


そう言われて『エロイなー』って明日香をジロジロ見てしまった。


谷間なんて縁がないあたしがパットのお陰でちょっとだけ谷間が出来てるし。


(初めてのくせにこんなバリバリの勝負下着って引く・・・かも)



そう思いながら寝室に戻るとベッドに寝転がって全開の窓からぼんやり景色を見ているソウちゃんがいる。


窓の外には見下ろす様に見える夜景はキラキラとしていて、ビーズを散りばめたみたいに色んな色が光っていた。


あたしに気が付いたソウちゃんが振り返り、笑顔でベッドをポンポンと叩いた。


「こっちにおいで」って事だ。


「電気!!」


ちゃんと考えてくれてるのか間接照明だけになってるけど、これじゃ丸見えだ。

それだけは勘弁してほしい。


電気を消してそろそろとベッドに近づいたけど、さっきまで楽しく笑いながら隣に寝転んでいたのに、そんな事はすっかり忘れてしまって、ベッドのふちにちょこんと座るだけ。

口から心臓が出てきそうなくらいにバクバクしている。

何だか胸が苦しくて息も上手く出来そうにない。

発作の方が楽なんじゃないかってくらいに恥ずかしいくらいドキドキしている。


一応少しだけメイクはしてるけど、ほぼスッピンに近いあたしの顔はすごく赤いと思う。

せっかく電気を消したのに夜景のせいで部屋は明るかった。