ライブを見て感動して2人で戻る道。
「最高だったぁ〜、あたし絶対忘れない!これがあたしとソウちゃんの思い出の曲にする!」
「オレこの曲のCDないから貸してよ。てか焼いて?」
「うん!!」
2泊3日のフェスも明け方のライブで終わり。
そのライブの後に花火が上がるらしい。
明け方の花火ってどんな感じかな?
最後のバンドは4人で参加して滅茶苦茶に騒いだ。
幹太くん、酔っぱらってるのに騒ぐから吐きそうになったり、そんな幹太くんを明日香とソウちゃんと爆笑しながら見てた。
あっという間に最後のライブが終わると、白みがかったグラディーションの空に花火大会みたいに色んな打ち上げ花火が上がる。
花火が上がる度に大勢の歓声と拍手。
笑顔で「なかなかいいでしょ?」と笑うソウちゃんの手をしかり握った。
みんな笑顔の中、あたしだけは何だか切なくて、気が付けば涙がこぼれていた。
「ルウコ?」
心配そうにあたしを見るソウちゃんに涙を手で拭いながらあたしは言った。
「こんなキレイな花火見た事ない。縁起でもないって怒るかもしれないけど、あたしもうこんな花火を一生見る事はないと思うの。最後の花火かもしれない・・・そのくらいすごくキレイ・・・」
あたしの自由で楽しい時間はこの夏休みだけだから・・・。
無意識に「思い出」をたくさん作ろうとしている。
明日、あたしの世界が終わるかもしれないじゃん。
みんなで笑えるのはこれが最後かもしれない。
だけど、この花火は悲しいとかじゃなくて「幸せ」な花火。
あたしが存在出来てる事、ソウちゃんがいる事を感じれる幸せなんだよ。