で、イルカへのエサやりの時間。


「ルウコ、手挙げなくていいのか?」


ソウちゃんがニヤっと笑うけど、あたしは「いいよー」と首を振った。


「だってカッパだし、ビショビショだもん」


そんなやり取りをしていると、


『はーい!そこのカップルの彼女さん!あなたにお願いしまーす!』


(そこのカップル・・・?)


あたりを見ても、お姉さんの手の平はあたし達に向いているっぽい。


「まさか、あたし・・・?」


自分を指差しながらソウちゃんを見ると、


『そうでーす!カッパを着たカップルの彼女さん!お団子ヘアのあなたです』



「げっ!ヤダ、こんな格好」


と文句を言うあたしにソウちゃんは爆笑しながら「行ってらっしゃい!」と言った。


(面倒だからカッパのままでいいや)


前に行くと、進行役のお姉さんがおもむろにマイクを向けてくる。


『何歳ですか?』


「え?17歳です・・・」


『すごく美人さんですねー、彼氏さんもカッコイイです』


「はぁ・・・ありがとうございます・・・」


『イルカ君と彼氏さんどっちが好きですか?』


(何をアホな・・・)


「か、彼氏?ですかね・・・」


言いながらすごく恥ずかしくなる。