降りるのはあたしが先だけど 達也くんは歩くのが早いから いつのまにか、いつもあたしを追い抜いている。 だから今日も 達也くんのななめ後ろで、 じっと彼を観察してた。 いつもと変わらない日課。 いつもと同じように、 いつもと変わらず、 君を眺めていた。 すると、 いつもと変わらないことが起きた。 達也くんが急に立ち止まって、 あたしのほうを振り返った。 目が……合ってしまった……!