そっか。
あたしはひーや高村くんだけじゃなくて、高村くんを好きな女子とかひーを好きな男子とか、いろんな人まで傷つけてるんだ。
「……ごめん」
「今更謝っても許さないし」
小さな謝罪は、冷たくはねのけられてしまった。
「じゃあ……どうすればいいの?どうしたら許してくれるの?」
悲痛なあたしの叫びが、教室にやけに大きく響いた。
「裕菜の友達をやめて。それから高村くんにも二度と近づかないって約束しなさい」
ひーの親友をやめて、高村くんとも関わらない……。
そうなってしまえば、あたしは本当にひとりぼっちになってしまう。
「ふたりに今後一切関わらないって約束してくれたら、許してあげる」
そう言った女子は、どこか状況を楽しんでいるように見える。
きっと嬉しいんだ。
ここであたしが承諾してしまえば、ひーと高村くんは自分たちのものになるから、と。
思い通りになるのは嫌だけど。
すべては自分が招いた結果として、受けとめなくちゃいけない。