あたしたちのこと、何も知らないくせに勝手なこと言わないで。
みんなに……あたしの気持ちなんて、わかるはずがない。
「みんなに……そんなこと言われる筋合いないわよ……!」
みんな、みんな、ひーの味方。
あたしに味方してくれる人なんていない。
あたしは……ひとりぼっちだ。
……ひーと違って。
「何それ!自分がしたこと棚にあげて何言ってんの!?」
「今日裕菜が休みなのも、伊沢さんが原因なんじゃないの?」
「最低ー。マジありえないんだけど」
女子たちに一方的な言葉は、あたしの心にグサグサと刺さり、どんどん傷をつくっていく。
男子たちも、可愛いひーを泣かせたとあって、黙ってはいるもののあたしに向けられる視線は冷たかった。
「高村くんにも迷惑かけてんじゃないわよ!」
……ああ、そっか。
ひとりの女子があたしを睨む。だけどその目には、涙が浮かんでいる。
この子は、高村くんのことが好きなんだ。
だから特にあたしが気に食わないんだね。