「はる、帰ろー!」



掃除が終わると、ひーが屈託のない笑顔で駆け寄ってきた。


「今日暑いから、コンビニでアイス買っていかない?」


「え……あ、うん……」


ひーがあたしの腕を引っ張る。


あたしはそれを、振り払うことができない。


ひーは、あたしの汚い部分を見抜いていそうで時々怖くなる。


「……はる?どーしたの?」


首を傾げるひー。


可愛くて、ムカついた。


「何でもないよ。帰ろっか」


「うん! ……あっ」


嬉しそうに笑うと、ひーはあたしを引っ張って廊下の隅に隠れるように移動した。