「ご、ごめんねっ。はる……」
きっとひーは、あたしが怒ってる理由なんてわかってない。
訳もわからないのに必死に謝ってる姿が、さらにあたしを腹立たせた。
「謝ってくれなくていいわよ。あたしが勝手に怒ってるだけだから」
そう言って睨むと、ひーはその小さな身体をビクリと震わせた。
「だけど……今後一切、二度とそんなこと言わないで!!」
冷たく言い放ち、あたしは教室を飛び出した。
──大嫌い。
“影”に憧れる“光”なんて、あまりにも馬鹿げてる。
そんなにあたしみたいになりたければ、あたしを嫌いになればいい。
あたしみたいに親友を嫌って、醜い人間になっていけば、すぐに“影”になれるよ。
そんなこと……ひーにできるわけない。
っていうか普通はしちゃいけないことなのに、
“はるになりたかった”
なんて簡単に言わないで。
ひーなんか大嫌い。
今はもう、この世に存在するすべてのものが大嫌い。