あたしが首を傾げているのにも構わず、ひーは続けた。
「自分では気付いてないのかもしれないけど、はるはいっぱい素敵なところ持ってるんだよ」
そんなの……嘘だ。
「高村くんは、はるの魅力にちゃんと気付いてくれてるんだと思うよ。私も男の子だったら、絶対はるに惚れてるもん」
違う、高村くんは変わり者なだけ。
だって、もしそれが本当だったのなら。
『伊沢はただの引き立て役だよなー』
あんなこと……言われないはず。
「はるみたいになりたいって、私ずっと思ってたんだよー」
「やめて!!」
気が付くとあたしは、勢い良く立ち上がり、ひーに怒鳴り付けていた。
クラスのざわめきは止んで、みんなの視線が一気にあたしに注がれる。
「それ以上……やめてよ……」
ひーの、驚きと戸惑いが入り混じったような瞳の中に、とてつもなく醜い自分の姿を見つけてしまった。