適当に話題を流して、自分の席に座ると、バッグを置いたひーがあたしのもとに駆け寄ってくる。
そして、小声で囁いた。
「高村くんってさ、絶対はるのこと好きだよね!」
その言葉にドキッとして、大げさに否定してしまう。
「ち、違うって!あたしのこと好きになってくれる人なんかいないよ!」
告白されたことや、抱き締められたことなどは一切ひーには話してなかった。
高村くんはあたしのことを褒めてくれたけど、世間一般論では全然反対のことを言われる。
高村くんは物好きなんだよ、きっと。
とか、いろいろ思ってたら。
「えー、はるは充分モテるよ」
ここにも物好きがいた。
「……え?」
「だってはる、可愛いし優しいしすごく頼りになるもん!」
いや、ひーのが可愛いし。
あたし心の中どす黒いし。
ってか、最後の“頼りになる”って喜んでいいところなの?