今日は先輩のクラスも、準備あったのかな……。


偶然に感謝!
それから、あたしを下に呼び出した高村くんに感謝!


心の中で「ありがとう」とつぶやいてから、あたしは物陰からそっと先輩を見つめた。



「──ホントに大丈夫?」



ふと、先輩の声が強くなり、あたしの耳にも届く。


先輩……誰と話してんのかな。


好奇心と、彼女じゃないかという不安から、気になったあたしは耳をそばだてて盗み聞きを働いた。


「ホントに大丈夫なのか?無理してない、裕菜ちゃん?」



……え?



電話の向こうに優しく問い掛ける田代先輩。


待って。
裕菜って裕菜って……ひーのこと……?


田代先輩……ひーと電話、してるの……?


2人は……付き合ってるの?


ひーも田代先輩が好きなのは知ってる。


だけど……



『応援するね、はる!』



そう言って、ひーはいつもあたしを笑って応援してくれた。


なのに……どういうこと?