ひーといるより、香波ちゃんたちと遊んだほうが絶対楽しいに決まってる。
帰るつもりだったけど、せっかく来たんだし、1時間もしないうちに帰るのはもったいない。
「……あ、えと……一人……」
迷った末の答えだった。
「じゃあ、伊沢も一緒に遊ぼうぜ。香波も女一人じゃかわいそうだし」
「うん」
相沢くんの言葉に、あたしはほっとした反面、大きな鉛が心にのしかかるような思いがした。
ひーを助けもせずに一人にしたどころか、あたしは他の友達と楽しく過ごそうとしている。
最低以外のなにものでもない。
わかっていながら、あたしは高村くんたちといることを選んだ。
「なんかダブルデート……みたいですね」
香波ちゃんが控えめだけど、大胆な発言をした。
「えっ!?」
あたしと高村くんの声が重なる。
真っ赤になったあたしたちを見て、相沢くんがケラケラと笑った。