あたしはひーを睨んでから、
「自分でどうにかしなさいよ」
ひーに聞こえるか聞こえないぐらいかの小声で、冷たく言い放った。
もう知らない。
こんな嫌な気持ちで、今日一日過ごすなんてあたしには耐えられない。
あたしはひーに背を向けると、来た道を戻り始めた。
しばらく歩いていると、意外な人物に遭遇した。
「あれ?はるひちゃん?」
突然名前を呼ばれ、あたしの足は止まる。
振り向いてみると、
「香波ちゃんに……相沢くん?」
文実委員のふたりがいた。
「あ……デート?」
あたしが問うと、香波ちゃんが真っ赤になって首を横に振る。
え……?
でもふたりは付き合ってるって高村くんに聞いたし、こんなところに2人で来るってことは、デートなんじゃ……。
「いや、デートのはずだったんだけど……」
あたしの疑問を感じ取った相沢くんが説明しようとした時。
「浩也ー!桜さーん!」
陽気な声が後ろから降ってきた。