あたしは断固拒否をし続けた。


だって、さすがに先生からNGが出るんじゃないかと思うほど、女子用の衣装は露出が多めで、大胆なデザインだった。


誰なのよ、この衣装を選んだのは!?


「俺も着たし、伊沢も着るべきだ!」


「男子の衣装は全然問題ないんだから、いいじゃない!」


女子はあんなにも派手だというのに、男子は黒いマントに黒い仮面という至ってシンプルなもの。


っていうか、いちいち衣装を男子用と女子用に分ける必要もないと思うんだけど。


「ねえ、伊沢ー。俺、これ着た伊沢見てみたーい」


「しつこいなぁ……。あたし、そんなの似合わないから絶対嫌。着たとしても見せてあげないし」


そうだよ、あたしはこんなの似合わない。
こんなの着ても、みんなの笑い者になるのが目に見えている。


あたしは……ひーみたいに可愛くないんだから……。



「──そんなことないよ」



突然、高村くんが逃げようとするあたしの腕を掴んで、真剣な目を向けた。