「──…はる……はるっ……」
いつの間にか、私の両目からは溢れんばかりの涙が浮かんでいて。
自分が書いたはずの手紙の文字が、まったく読めない。
この一年を振り返るような私の手紙。
読みながら、私の頭に数々の記憶がよみがえり、その時の自分の気持ちまで思い出せる。
改めて思い出してみてわかったのは、私の心にはいつもはるがいたこと。
どれだけはるが好きなんだって、自分のことながらに呆れてしまう。
だけど、伊沢はるひという人は、本当に素敵な人なんだ。
はるは「そんなことない。ひーのほうが」って言うだろう。
でも私が男だったら、高村くんと同じように絶対惚れてたと思う。
はる、私、本当にはるのことが大事で、誰よりも大好きなんだ。
だからね、この手紙を書いたの。
遺書と呼べなくはないと思う。
でも、どうしても“ありがとう”と“大好き”ってことを伝えたかった。