桜さんが紙を取り出し、必要な係を書き出していく。
占い師、受付、宣伝……。
占い師なんて柄じゃないから、宣伝あたりになろうかな。
宣伝なら、看板持って適当に校内を歩けばいいだけだし。
「じゃあ、俺と伊沢は占い師ね」
……は?
高村くんの元気な声が、あたしの思考回路を停止させる。
「高村くんと伊沢さんが占い師ですね」
桜さんが頷いてペンを走らせる。
綺麗な字で、
【占い師:高村、伊沢】
と書かれてしまった。
「ちょっと待ってよ!あたしやるなんて一言も……」
「まあまあ、伊沢」
あたしの反論は、高村に制され、なだめるような声で耳打ちされた。
「占い師になれば、田代先輩と話せるかもしんねーぞ!」
耳まで真っ赤になるのを感じた。
「で、でもっ」
「大丈夫、当日は俺が絶対先輩を連れてくるから」
高村くんがピースしながら笑う。
だけど、
全然大丈夫じゃないわよぉっ!