そのあとはるが来て、初めて叩かれて、喧嘩した。
てっきり私が奪ったことに対して怒ってるんだと思ってた。
でもはるは、違った。
私が、自分の気持ちに嘘をついたことに本気で怒ってる。
はるは、私も先輩を好きだったことに気付いてたんだ。
なのに、はるが大事だからとか言って……。
結局、それがはるを傷つけることになってしまった。
悔やんでも悔やみきれない。
最低だ、私……。
“ひーなんて、大っ嫌い!!!”
ごめんね、はる。
本当に……ごめんね……。
「アンタ二年生のくせに、何田代くんに手出してんの?」
文化祭が終わって、突然数人の女の先輩が教室に押しかけてきた。
噂というのは怖い。
一度流れてしまえば、どこまで広がるかわからない。それも考えられない速さで。
これも、親友の好きな人を好きになってしまった罰か。
だったら、潔く罰を受けよう──。