委員会が終わり、ひとりで玄関に降りると、
「中里さん!」
思いもよらない出来事が。
田代先輩が……私に話しかけてきた。
「中里……裕菜ちゃんだよね。去年ミスコン出てた」
「あ……はい」
グランプリはとってないけど。
そういえば、田代先輩も去年のミスターコン出てたっけ。
「あのさ……メアド、教えてくれないかな」
「えっ!?」
田代先輩の突然の申し出に、私の顔はたちまち真っ赤になる。
「嫌ならいいんだ!ただ……仲良くなりたいな、って……」
目の前の先輩は、頭をかいて照れながら、私と目を合わせるたびに頬を紅潮させている。
先輩のドキドキが、私にまで伝わってくるようで、心拍数は上がるばかり。
もしかして、もしかしたら、
脈アリ、ってやつ……?
「も、もちろんです!喜んで!」
深く考えず、感情のまま答えてしまったことに、私はその日のうちに後悔した。
はるの顔が頭に浮かぶ。
応援するね、と彼女の背中を押した過去もよみがえる。
私は……
はるを裏切った……。