「はるひちゃん、裕菜ちゃんと仲良くするのやめなよ」
「は?」
今日ははると一緒に帰る日。
掃除中のはるをはじめは玄関で待ってたけど、通り過ぎざまに私を見る女の子たちの目が怖くて、やっぱり教室の前で待つことにした。
「裕菜ちゃんと仲良くするのやめなよ」
そして、教室の前にやってきて聞こえたのは、そんな言葉だった。
中を覗くと、掃除する手を休め、はるに訴えかける女の子が数人。
「裕菜ちゃんって、見かけはいい子だけど、本当はすごいひどい子なんだよー」
「リコの好きな人とったしー」
「仲良くすると、はるひちゃんまで嫌われちゃうよー?」
何それ。
自分がいい子とはさすがに思わないけど、人の好きな人を奪うようなことはしてない。
私が告白を受け入れたならまだしも、私は断ったのに。
「はるひちゃん、裕菜ちゃんとはもう仲良くしないほうがいいよ」
そんなこと言って、はると私の仲を引き裂こうとしてるのが、本当に許せない。
でも……。