「ひー!」
顔をあげると、はるの笑顔がそこにはあった。
「今日さ、国語の宿題あったよね!ひー、やった?」
「……うん、やったよ」
「ほんと!? お願い、見せて!」
両手を合わせて頭を下げる。
そうだった……。
私に味方はいないはずなのに、はるだけはいつも、私のもとに来てくれる。
はるだけは……いつも私のそばにいてくれる。
はるの優しさが、本当にありがたくて、私の心の穴を埋めてくれた。
「うん、いいよ」
「ありがとう!」
私の宿題を写しながら、「持つべきものはひーだよねー」なんて、わけのわからないことを言うはる。
はるが私の隣にいる。
それが嬉しくて、涙があふれ、視界が歪んでくる。
はるに気付かれないうちにそれを拭い、私は笑った。
「もうー、自分でやらなきゃダメだよー」
「はーい」
冗談っぽく言うと、はるはおどけたように笑った。