【死ね】
あ……また……。
下駄箱を開けてみれば、心ない言葉が書かれた紙。
上履きがないのもいつものこと。
始まりはほんの些細な出来事。
私が、とある男の子に告白されてからだ。
男の子というのは、クラスのリーダーの女の子が想いを寄せていた人。
私は断ったし、別に女の子からその人を奪ったわけじゃない。
なのに……。
「まじありえないよね。ちょっと可愛いからって、友達の好きな人取るなんて最低っ」
教室に入れば、一瞬の沈黙と共に、一斉に私へ視線が向けられる。
そのあとは、そんな陰口。
陰口といっても、聞こえよがしに言ってくるからなおさら嫌だ。
もうこの際、何を言われても構わないから、せめて私がいないところで言ってほしいよ……。
ため息をつきながら、私だけ上がったままの椅子を下ろし、静かに座る。
真ん中の席って本当に嫌だ。
真ん中でひとりでいると、私は世界から孤立してるように感じる。
私はひとり。
ひとりぼっちで、味方なんてひとりもいてくれないんだ……。