「ひー……何これ」


「え?」


はるに病気のことを伝えて数日経ったある日。


私の代わりにパジャマをたたんだり、病室の片付けをしてくれてる時だった。


「ひー、何なのこれ。そこの棚整理してたら出てきたんだけど」


そう問いつめながら、はるは私の目の前に白い封筒を突き出す。


宛名も、差出人も記されていない真っ白な封筒。


だけど私は、確かにそれに見覚えがあった。


「あ……それ、は……」


言葉に詰まる。


それは、私がはる宛てに書いた手紙。


だけど、ただの“手紙”ではなかった。


「何かと思って見ちゃったけど、何?この“遺書”みたいな内容!」


ふざけないでよ、とテーブルに封筒を叩きつけられてしまった。


「ひー、まさか自分は死ぬとか思ってんじゃないでしょうね」


「ごめんねっ……そんなつもりじゃなくて……私はっ」


咎めるような視線が痛い。