「……いいの?」
あたしなんかが、そこにいていいのかな。
恐る恐る問いかけると、高村くんは笑顔で「いいに決まってんだろ!」と、あたしを無理やり引っ張っていった。
「あ……えっと、よろしくね。伊沢さん」
高村くんに連れられ、輪の中に入ると桜さんが柔らかく笑いながら迎え入れてくれた。
「……うん、よろしく」
相沢くんや他のみんなも、あたしみたいな人間を快く受け入れてくれた。
嬉しい……嬉しくて、涙が出そう。
いつも、“ひーの友達”だからという理由で、あたしと友達になってくれる人はいたけど。
それはひーがいなければ、簡単に切れてしまう薄っぺらな関係でしかなかった。
だけど、桜さんたちは“ひーを通したあたし”じゃなくて、ちゃんと“あたし”を見てくれた。
それがどうしようもなく嬉しかった。
それもこれも、高村くんが呼びかけてくれたおかげだ。
「ありがとう、高村くん……」
精一杯の笑顔で言うと、高村くんは照れ臭そうにはにかんだ。