不思議というか独特というか、そんな雰囲気を漂わせる女子は、伊沢はるひという名前だった。
あんな子が、あの中里と親友だっていうからなおさら不思議。驚きだった。
あんな人も同じクラスなんだ、なんて思っていると自己紹介タイムという名のHRは終わった。
「“律”ってさ、なんか珍しい名前だよねっ」
「え?」
浩也と仲良くなったあと、浩也とその彼女の桜ちゃん。
そして浩也や桜ちゃんたちの友達とで、昼休みを過ごしていた。
みんなでワイワイ話しながら、ごはんを食べている。
話題はいつのまにか、俺の名前となっていた。
「その名前、お母さんがつけたのー?」
ギャルな女子が、ウェーブがかかった髪の毛先を指でくるくるとあそばせる。
「うん。お母さんだよ」
前に由来は聞いた。
えっと、確か……。
「『間違った方向に行っても、自分で自分を正しく“律する”ことができるように』って」