誰にでも、大切な友達というものがあるだろう。
あたしにもいる。
大好きな、大切な親友が。
大好きだった、けど。
大嫌いだった──。
あたしが、どんなに手を伸ばしても手に入れられないものをいっぱい持ってるくせに。
あたしのために簡単に捨てようとするところが嫌い。
いつもあたしの前を歩いているくせに。
あたしを気遣って隣を歩こうとするところが嫌い。
でも本当は、あたしが一番嫌いだったのは、伊沢はるひ。あたし自身。
全部、ひーを羨んで妬んでいただけ。
一番醜かったのは自分だった。
それでもひーは、
「はる大好き!ずっと一緒にいようね!」
そんなあたしをずっとまっすぐに好きでいてくれた。
それに気付けたから、たくさん遠回りしてきたからこそ。
今こうして、笑って、ひーの隣にいることができる。
ひー、あたしはあなたに出会えて本当によかった。
これからも一緒にいようね。
あなたはあたしの、大切な、一番の友達です。
ずっと、永遠に……。
My best friend.
‐fin‐