「おい、伊沢困ってるぞ。いい加減離してやれよバカ」
「なっ…!バカとは何だよ!浩也のほうがバーカ!」
あたしの気持ちを読み取ったかのような助け船を出してくれたのは、高村くんの親友の相沢くん。
そして相沢くんの彼女は……
「おはよう、はるひちゃん、裕菜ちゃん。今年もよろしくお願いします」
香波ちゃんが少し嬉しそうに、でも丁寧に頭を下げる。
高村くんだけでなく、相沢くんに香波ちゃんまでもが同じクラスみたい。
なんて最高なクラスなんだろう。
知ってる人はいっぱいだし、何よりひーと、高校入って初めて本当の親友として過ごせる。
今年はきっと、皆勤間違いなしだ。
「はる、よかったね。みんなも一緒で」
騒ぐみんなを楽しそうに眺めながら、ひーが言う。
あたしは、ひーにしか聞こえない声で返した。
「でもあたしは、ひーと一緒にいられるのが一番嬉しいよ」
驚くひーに微笑んでみせると、
「……私も!」
太陽にも負けない明るい笑顔を見せてくれた。