「──あ!」


ひーと並んで自宅を目指して歩いていると、ひーが突然声をあげた。


何かを見つけたのか、小さな公園に入っていく。
あたしもすぐにあとに続いた。


「ひー!どうしたの?早く帰らなきゃ……」


「はる!」


ひーがすべり台付近で手招きをする。


もう……いきなりどうしたんだ。


ゆっくりと歩いていくと、ひーはにこっと笑って。



「ねえ、あなたひとりなの?」



いきなり、こんなことを聞いてきた。


「は……?」


一体何なの、と問いかけたくなったけど、ひーの笑顔を見ていたらできなくなった。


……どこか懐かしい感じがした。


この懐かしさの原因が何なのかわかんないけど、口が勝手に動いていた。



「……うん」



頷くと、ひーはさらに嬉しそうに笑った。


そして、右手を差し出す。



「だったら、ひーが友達になってあげる!
あなたお名前は?」



──思い出した。


ここで、この公園で、あたしたちは出会い、友達になったんだ。